父は猫嫌いだ。
実家で飼った歴代の猫達。
初代のカブちゃん、その子供のポロンちゃん、病院で譲り受けたウサちゃん(注:ウサギではない。顔がウサギみたいにやさしい顔してたから付けた名前)
どの猫も父は可愛がらなかった。
ところが、近所の子供が拾って来て、
飼ってあげて下さいと涙ながらに訴えられて断りきれなくて引き取ったペケちゃんが
父の猫嫌いを180度変えた。
それまでの猫は、こっち来るなあっち行けと蹴飛ばされたりするので、
当然ながら父に近寄らなくなっていた。
ところが、頭がイマイチ悪いぺけちゃん、何をするのもなんとなく間が抜けていて、
目と口のところが黒くて顔が汚く見えて、お世辞にも可愛いとは言えない猫だったが、
この子は蹴られても何されても、父の足にすり寄って行く。
ゴロゴロ喉を鳴らせてにゃあにゃあ鳴く。
こんなふうにされたら猫嫌いの父もまんざらでもなくなってきたようで・・
そしてある日、私は見てしまった。
「ほら、ペケ、寝るぞ」と言って寝室にぺけちゃんを連れて行く父の後姿を。
なんだよ、可愛がってるじゃん。猫嫌いはどうした?
そして思った。
叩かれても蹴られても、にゃあにゃあすり寄って行った、おバカなぺけちゃんの勝ち!
もしかしたら、すべてはペケちゃんの策略だったのかも?
以来、父はペケちゃんが亡くなったその後に飼った猫もずっと可愛がってる。
無垢な動物はかわいい。
ペットを飼う家は年々増加しているようだけど、ペットに癒されたい人間達が増えてるってことだろう。
地球で一番賢い動物も、おバカな小動物にはイチコロなのだ。
あーあ、私も猫飼いたいなあ。
ぺけちゃんみたいなブサ可愛いすっとんきょうであまったれの猫、いつになったら飼えるんだろう・・
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[ぺけちゃんのおばかストーリー1]
木に登ったのはいいが、降りられなくなって、
3日間家に帰って来れなかった。
母が探して見つけられなかったら、こいつは木の上で餓死していたに違いない。 |
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[ぺけちゃんのおばかストーリー2]
ある日近くの公園で、
明らかに自分より3倍の大きさはあるでろう鳥を捕獲するべく狙っていたのを偶然見かけてしまった。
こいつやっぱりバカだなと思った。 |